ついに決着?!バルコニーの攻防
公開日:2025年06月03日
新築を計画中のご家庭で、意外と揉める(?)のが...そう、2階バルコニー。
「洗濯物を干す場所が必要でしょ!」という“いる派”と、
「いやいや、共働きで外に干さないし」派の“いらない”派が静かに火花を散らすこの論争。
しかも最近はバルコニーなくても便利なものも登場し、ますます混迷を極めている様子。
果たして、バルコニーは本当に必要なのか、それとも不要なのか?
建築コストにも影響するこの小さな論争に、ちょっと真剣に、でも軽やかに迫ってみます!
《いる派の主張》外干し命!やっぱり太陽で乾かしたい!
「洗濯物はお日様の下で干すのが一番!」という信念を胸に抱いています。
たしかに、天日干しの気持ちよさ、ふわっと香る太陽のにおい、風に揺れるシーツの絵になる感じ…。
これは室内干しや乾燥機には出せない“自然の演出力”です。
さらに、布団やカーペットなど大型の洗濯物を干せる場所としてもバルコニーは大活躍。「押し入れにしまう前に、ちょっと干したい」なんてときにも重宝します。
そして何より、外に干すことで部屋の湿気がたまらず快適!
特に梅雨時期や冬の結露対策としては理にかなっています。
「やっぱり、家にはバルコニーがないとね!」と語る人たちにとって、それは“洗濯干し場”以上の、季節と暮らしをつなぐ場所なのかもしれません。
《いらいない派の主張》今どき、室内干しで十分なんです...
一方で、こんな声もよく聞きます。
「うちは夫婦ともに仕事があるし、昼間に洗濯物を取り込むなんて無理!」
「天気に左右されるのもストレスだから、もう乾燥機でいいや!」
「バルコニーの掃除だって大変!あんまり使わないのに!」
そうなんです、共働き世帯や外干しに不安を感じる人たちにとって、バルコニーは“使わない空間”になりがちです。
最近では、高性能な除湿乾燥機や浴室乾燥機の普及により、室内干しでも快適に洗濯物が乾かせる環境が整っています。
また、防犯や花粉・黄砂・PM2.5といった外干しリスクを避ける意味でも、あえて室内干しにシフトする家庭が増えているのが現実です。
「うちのバルコニー、2年に1回しか使ってないかも…」という話も、決して珍しくありません。
最近の主役はこっちなの?!ランドリールーム大躍進中!
近ごろ新築住宅でじわじわ人気急上昇中なのが「ランドリールーム」
その名の通り、洗濯に特化した専用スペースで、「洗う→干す→たたむ→しまう」がすべて1カ所で完結するという、家事動線の神スペースです。
特に共働き世帯や室内干しメインのご家庭では、「これは手放せない!」という声も多数。
日々の洗濯物が1カ所に集約されていれば、家の中をぐるぐる回る必要もなし。
朝の貴重な10分が節約できることも。
また、洗面所や脱衣所に隣接して配置されることが多いため、入浴時にそのまま洗濯機を回して、乾燥機へ。
干す場所にもすぐ移動できるため、洗濯にまつわる動線が“ほぼ水平移動”で済むという魅力があります。
ただし、そんなランドリールームにも弱点がないわけではありません。
最大のネックは「スペースをしっかり取る必要がある」こと。
ただの物干しスペースではなく、作業スペースとしての設計が求められるため、1.5帖〜2帖、広めなら3帖以上が推奨されています。
間取りに余裕がない場合は、「収納を減らすか」「居室を削るか」とのせめぎ合いになる可能性が出てくることも...
ちなみに、「外にも干したい!でも、雨や花粉は避けたい!」というニーズに応えて登場したのがインナーバルコニー。
屋根や壁に囲まれているため、半屋外の安心感があり、ランドリールームと組み合わせて使う人も。
「ランドリールーム+インナーバルコニー」の合わせ技は、天気や時間帯に左右されない“洗濯の自由”を実現する夢の布陣です。
バルコニーをつけるか悩んでいる方は、ランドリールームという別解を検討してみるのもアリかもしれませんね。
バルコニーをやめると、いくら安くなる?コストのリアルを考えよう。
構造や広さによりますが、2階バルコニーを設ける場合の建築費用は約30万〜100万円前後と言われています。
素材にこだわったり、防水加工を強化すればさらに高くなることも。
しかも、バルコニーは設けて終わりではありません。定期的な防水メンテナンス(5~10年ごとに10~15万円程度)も必要です。
つまり、最初にかかる建築費+将来的な維持コストも含めると、それなりの出費となります。
「少しでも費用を抑えて、その分をキッチンやお風呂に回したい!」という実利派の方にとっては、削って後悔の少ないパーツとして、真っ先にバルコニーが候補に上がるのも納得ですね!
設けたけど...実際、バルコニーを使ってる?使ってない?
では実際、バルコニーを設けた人たちは、どれくらい使っているのでしょう?
とあるアンケートでは、ほとんど使っていないが約3割を占めるという結果も。
理由は、
◇思ったより狭くて使いづらい...
◇風通しが悪くて乾きが遅い...
◇結局、室内干しが便利すぎた...
などなど。
一方、「やっぱりつけてよかった!」という声ももちろんあります。
◇布団が干せるのが最高!
◇外の空気を感じられるから気分転換になる!
◇子どもとシャボン玉をして遊べた!
このように、使われ方や満足度は家庭ごとのライフスタイル次第。
お飾りバルコニーにしないためには、事前のイメージと動線の確認が重要です。
何が正解?ライフスタイルで変わる最適解
結局、その家族にとって“どう暮らしたいか”で決まる問題。
◇外干しで太陽の香りを楽しみたいなら、バルコニーは頼もしい味方。
◇共働き&天候リスク回避を考えるなら、室内干し+乾燥機+インナーバルコニーの組み合わせが最強。
◇建築費を削減したい&将来の維持費を抑えたいならバルコニーレス(なし)という選択肢も正解。
「なんとなく付ける」「とりあえず無しでいいや」ではなく、“我が家にとって本当に必要か?”を考えることが、最も大事な設計ポイントになるのではないでしょうか。
まとめ
「バルコニー、つけたら負け」「いや、ないと後悔するかも」…と語られるこの議題、正解は人それぞれ。
でも大事なのは、なんとなくで付けない、付ける、を決めないことでしょうか。
ライフスタイルや家事の動線、さらには防犯面まで考えた上で、あなたにとっての「ベストな干し方」を見つけることが、バルコニー問題の真の決着なのかもしれません。