賃貸と持ち家はどっちがいい?

公開日:2025年04月13日

賃貸と持ち家はどっちがいい?

一生の買い物といえば「住宅」でしょう。

一言で『住宅』といってもたくさんの種類があります。新築に中古、一戸建てから分譲マンション、価格は数千万円から億越えまで、ほんとうに覚悟のいる買い物です。

結婚や子どもが生まれる頃に考え始めるのが一般的です。

そんな人生の大きな転換期を迎えた家庭にとって、はたして「持ち家か賃貸、どちらがお得?」なのでしょうか。

 

私たちは、住宅は賃貸か持ち家か。賃貸と持ち家のどちらが良いのかは、様々な視点から比較することが大切だと考えています。

それぞれのメリットデメリットは人によって変わることもあります。自分のライフスタイルにはどちらが合うのか、じっくり考えてみましょう。

最後には、賃貸と持ち家の比較として「生涯支払額」も算出していきます。

賃貸メリット① 「自由な場所に気軽に引っ越せる!」

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賃貸住宅の大きなメリットの一つは、自由に住む場所を選び、必要に応じて気軽に引っ越すことができる点です。この柔軟性は、特に現代の多様化したライフスタイルにおいて重要な価値を持っています。

例えば、仕事の転勤やキャリアの転機に伴い、都市を移動する必要が生じた場合、持ち家を所有していると売却や賃貸の手続きに時間や労力を割かなければなりません。しかし、賃貸であれば、契約を解約するだけで次のステップに進むことが可能です。これにより、転居先での新しいスタートをスムーズに切ることができます。

また、ライフステージや家族構成の変化に応じて、居住環境を簡単に見直すことができるのも賃貸の魅力です。結婚や出産、子供の独立など、生活のニーズが変化するたびに、新たな住まいを選び直すことで、自分にとって最適な環境を手に入れることができます。例えば、郊外で自然に囲まれた暮らしを楽しんだ後、子供が独立したら都心の便利な場所に引っ越すという選択も可能です。

さらに、賃貸住宅では、地域の変化や新たな街の魅力を体験することも容易です。短期間で異なる都市や地域に住み、多様な文化やコミュニティを経験することで、視野を広げることができます。このように、賃貸住宅は住まいに対する柔軟なアプローチを可能にし、人生の変化に迅速に対応できる自由を提供します。

賃貸メリット② 「住宅ローンに縛られない」

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賃貸住宅のもう一つの大きなメリットは、住宅ローンに縛られることがないという点です。住宅ローンは、多くの場合、数十年にわたる長期間の返済計画を伴い、その間に発生する経済的な負担は決して軽いものではありません。賃貸であれば、このような長期的な経済的コミットメントから解放され、柔軟な資金運用が可能になります。

住宅ローンを組むと、毎月一定額の支払いが必要となり、金利や返済期間に応じて最終的な返済額は購入価格を大きく上回ることもあります。さらに、ローンを抱えた状態で予期せぬ収入の変動があった場合、支払いが困難になるリスクもあります。一方、賃貸であれば、家賃は予算に応じて調整が可能で、収入や生活状況の変化に応じて住まいを見直すことができます。

また、住宅ローンの返済に追われることなく、他の投資や貯蓄に資金を振り向ける余裕が生まれるのも賃貸の魅力です。例えば、キャリアアップのための自己投資や、旅行や趣味に費やすことで、人生の質を向上させることができます。金融市場の変動や不動産価値の変化に左右されることなく、安定した経済基盤を築くための選択肢を広げることができるのです。

このように、賃貸住宅は、住宅ローンに縛られることなく、自由で柔軟なライフスタイルを追求するための大きなメリットのひとつです。

賃貸メリット③ 「固定資産税に縛れられない」

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賃貸住宅のメリットの一つとして、固定資産税が発生しないことが挙げられます。これは、特に長期的な視点で見た場合、大きな経済的利点となります。固定資産税は、持ち家を所有する際に避けては通れない費用であり、毎年支払わなければならない税金です。その額は物件の評価額によって異なりますが、経済的な負担は無視できません。

賃貸住宅に住む場合、この固定資産税の支払い義務は大家や不動産オーナーが負うため、入居者には直接関係がありません。これにより、家計における定期的な支出の一つを削減でき、他の生活費や貯蓄、趣味に使う資金に充てることが可能となります。

さらに、固定資産税は物件の評価額や地域の税率によって増減する可能性があり、経済状況や税制の変更によっては予想外の負担が生じるリスクもあります。このような不確実性から解放されることは、賃貸の大きな魅力です。

固定資産税を支払わなくて済むことで、経済的な自由度が高まり、賢い資産運用や柔軟なライフスタイルを実現するための選択肢が広がります。これもまた、賃貸住宅を選ぶ際の重要なポイントと言えるでしょう。

賃貸デメリット① 「資産として残らない..」

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賃貸のデメリットの一つは、支払った家賃が資産として残らない点です。持ち家の場合、ローンの返済が進むにつれて、家は資産として積み上がり、最終的には自分の所有物になります。しかし、賃貸では毎月の家賃が単なる生活費として消費され、将来的な財産形成には繋がりません。この点は、家計の長期的な視点で見ると無視できない課題です。

賃貸デメリット② 「自由に増改築ができない...」

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賃貸住宅のデメリットのひとつとして、自由に増改築ができない点が挙げられます。持ち家であれば、自分の好みに合わせて部屋を改装したり、壁を取り払って間取りを変更したりすることが可能です。しかし、賃貸では物件の所有者がいるため、基本的には大規模なリフォームや増築が認められません。壁紙を変える、小さな棚を設置するなどの軽微な改装であっても、事前にオーナーの許可を得る必要があります。そのため、自分の理想の住まいを作り上げる自由度が限られ、生活空間に対する満足度が下がることもあります。この制約は、特に長期間住む場合や家族構成が変わった際に、不便さを感じる要因となります。

賃貸デメリット③ 「更新の都度、更新手数料がかかる....」

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賃貸住宅のデメリットの一つとして、契約更新の際に更新手数料がかかることが挙げられます。通常、賃貸契約は一定の期間ごとに更新が必要で、その際に家賃の一部や数か月分に相当する手数料を支払う必要があります。この更新手数料は、持ち家にはない出費であり、数年ごとに繰り返し発生するため、長期的には家計に少なからぬ負担を与えます。また、手数料の金額や条件は物件や地域によって異なり、予期せぬ出費として家計に影響を及ぼす可能性があります。この点は、賃貸を選ぶ際に慎重に考慮すべき要素です。

持ち家メリット① 「資産なので、老後が安心」

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持ち家の大きなメリットの一つは、資産として老後の安心を提供する点です。長年のローン返済が終われば、家は自分の所有物となり、住まいに対する経済的な負担が大幅に軽減されます。この状態は、年金生活に入った後、安定した住環境を確保する上で非常に重要です。

賃貸では、老後に収入が減少する中で家賃を支払い続ける必要があり、年を重ねるごとにその負担が増す可能性があります。しかし、持ち家であれば、その心配はありません。さらに、持ち家は売却や賃貸によって現金化できる資産でもあり、必要に応じて老後の生活費や介護費用を確保する手段として利用できます。このように、持ち家は安心した老後を過ごすための確固たる経済的基盤となるのです。

持ち家メリット② 「社会的信用度が増す」

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持ち家を所有することのメリットの一つに、社会的な信用度が増すという点があります。住宅を購入するには、通常、長期的なローンを組む必要があり、これを継続的に返済することは、経済的な責任感と安定した収入を証明するものです。このような経済的な安定性は、金融機関や他の社会的な機関からの信用を高め、ローンやクレジットカードの審査が通りやすくなるなどの利点をもたらします。

また、持ち家を所有することで、地域社会に対しても一層の責任感が生まれ、コミュニティへの貢献や近隣との関係構築が進みます。これにより、社会的な地位が向上し、信頼を得ることができるのです。持ち家は、単なる住まい以上に、所有者にとって社会的な信用と安定を象徴するものとなります。

持ち家メリット③ 「自由にペットと暮らせえて、自由に増改築」

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持ち家の大きなメリットの一つは、ペットを自由に飼えることと、自由に増改築ができることです。賃貸住宅では、多くの場合、ペットの飼育が制限され、増改築ができないなどの制約があります。しかし、持ち家であれば、自分の好きなペットを飼うことができ、生活に喜びをもたらす存在を迎え入れる自由があります。犬や猫などのペットが暮らす空間に最適な環境を整えることで、より快適で幸福な生活を実現できます。

また、持ち家では、自分のライフスタイルに合わせて増改築を行うことができます。リビングを広げる、キッチンをリフォームする、またはガーデニングスペースを設けるなど、住まいを自分の好みに合わせてカスタマイズすることで、理想の居住空間を作り上げることができます。この自由度は、住まいに対する満足感を高め、長期的に快適な生活を支える重要な要素です。持ち家は、こうした自由を提供することで、生活の質を向上させるとともに、家族や自分自身にとって理想的な住まいを実現するための基盤となります。

持ち家デメリット① 「自由に引越できない..」

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持ち家のデメリットの一つは、気軽に引っ越しができない点です。持ち家を所有していると、その売却や賃貸、引越しの手続きには時間と労力がかかります。物件を売却する際には市場価値の査定や購入希望者との交渉が必要であり、売却までに数か月以上かかることもあります。また、引越し先の新しい住まいを見つける際にも、多くの要素を考慮しなければならず、スムーズな移動が難しくなります。

さらに、持ち家に対して長期間のローンを組んでいる場合、そのローンの返済を続ける必要があり、転居に伴う経済的負担が増すこともあります。このような制約は、気軽な引越しが難しいというデメリットを伴います。

持ち家デメリット② 「金利次第で、返済額が変わる...」

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持ち家のデメリットの二つ目は、金利が高くなるとローンの返済額が変わる点です。特に変動金利型の住宅ローンを利用している場合、金利の変動に応じて毎月の返済額が変わります。金利が上昇すると、返済額も増加し、家計に対する負担が大きくなります。このため、長期間にわたる返済計画が立てづらくなり、予算の見直しや追加の資金が必要になることもあります。

また、金利の上昇はローンの総返済額を増加させ、結果的に長期的にはより多くの支払いをしなければならなくなることもあります。持ち家を選ぶ際に十分に検討するべき要素であり、ローンの条件や金利の動向をしっかりと把握しておくことが重要です。

持ち家デメリット③ 「維持修繕費は全て自己負担....」

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持ち家のデメリットの一つは、維持修繕費が全て自己負担である点です。持ち家を所有すると、建物や設備の劣化に伴う修繕やメンテナンスが必要になります。これには屋根や外壁の修理、配管や電気設備の点検、さらには内部のリフォームや設備の交換などが含まれます。これらの費用は、所有者自身が全額負担しなければならず、予想外の大規模な修繕が必要になると、家計に大きな影響を及ぼすこともあります。

特に老朽化が進んだり、大きな自然災害が発生した場合には、修繕費が高額になることがあります。また、定期的なメンテナンスを怠ると、さらに大きな問題に繋がる可能性があるため、継続的な費用と手間がかかるのもデメリットです。このような維持管理の負担は、持ち家を所有する際に考慮すべき重要な要素であり、将来的なコストをしっかりと見積もっておくことが求められます。

賃貸と持ち家の比較「生涯支払額」

最後に、賃貸と持ち家の比較として「生涯支払額」を算出してみましょう。仮に30~80歳まで賃貸と10万円の賃貸を借り続けた場合と30歳から住宅ローンを組んだ場合で、元利均等返済(2024年8月時点)です。

 

生涯支払額の比較を行うために、2024年8月時点の金利を考慮して、賃貸と持ち家の支払い総額を算出します。以下の前提条件で計算を行います。

 

<前提条件>

★賃貸 の場合

家賃: 月10万円

更新手数料: 2年に1回の更新で1ヶ月分の家賃(仮定)

 

◆持ち家 の場合

住宅ローン: 3000万円

金利: 年2.5%(2024年8月時点の変動金利の平均)

返済期間: 35年

固定資産税: 年10万円

メンテナンス費用: 年10万円

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★賃貸

<家賃の支払い>

家賃: 月10万円

・年間家賃 = 10万円 × 12ヶ月 = 120万円)

・50年間の家賃 = 120万円 × 50年 = 6000万円

 

更新手数料:2年に1回の更新で1ヶ月分の家賃(仮定)

・2年ごとに1ヶ月分の家賃(10万円)

・50年間での更新手数料 = 10万円 × (50年 ÷ 2) = 250万円

 

総支払額 = 6000万円 + 250万円 = 6250万円

 

◆持ち家

<住宅ローンの返済額>※元利均等返済35年、年2.5%の場合)

・毎月の返済額 = 約11.9万円(試算)

・総返済額 = 毎月の返済額 × 12ヶ月 × 35年 = 約4872万円

 

固定資産税: 年10万円

・年間10万円 × 35年 = 350万円

 

メンテナンス費用: 年10万円

・年間10万円 × 35年 = 350万円

 

総支払額 = 4872万円(ローン返済額) + 350万円(固定資産税) + 350万円(メンテナンス費用) = 約5204万円

 

~結果比較~

賃貸の場合: 6250万円

持ち家の場合: 約5204万円

 

※持ち家の価値が将来的にどうなるかは考慮されていません。

※長期的には家賃が上昇する可能性があります。

※保険やその他の費用が含まれていません。

最後に「どちらがベストな選択なの?」

この計算により、持ち家の方が賃貸よりも生涯支払額が少ない結果となりました。「賃貸か、持ち家か」問題は、経済合理的に不動産投資と同じように考えることもできるのです。買うか借りるか、居住環境の最終的な意志決定は、感情に流されるのではなく、将来を見据えた「今快適に、幸せに生きられる」方がどちらなのかを選択するのが大切です。

 

「もし家を買ったら、ローンの支払いはどれくらい?」そんな疑問が浮かんだら、住宅ローンのシミュレーションもぜひご活用ください。具体的な数字を知ることで、未来の暮らしがぐっと身近になります。

身近なひとに相談したくなったときは、ぜひ佐藤不動産までよろしくお願いいたします!

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